今日は割と実用的な失敗例の紹介をしたいと思います。
他にもぶっ壊れたーなんて失敗例もあるけどとりあえず今日は綺麗な加工をする為に汚い加工の失敗例を紹介したいと思います。
失敗例から学ぶ事で成功するのは良くある話ですが、やってみると失敗の方が圧倒的に多いんですよね・・・
こんなに失敗しててもほんの一部です。もっともっとたくさんの失敗があって成功例と思えるのはまだ一つです。
とりあえず、失敗した作品にはその時の状況などをメモしていたりします。
ぱっと手にとっても何のこっちゃ分からないと取っとくだけ無駄ですからね。
それではまず、こんな失敗例
【途中で止まる】
絶対多いと思います。こんな人がほとんどだと思います。(願望)
これは以前紹介した気がするのでささっと行きます。
- ノイズ。
主にスピンドルから発生されるノイズです。ノイズはUSB接続を切断したり、ステッピングモーターの動きを悪くします。
- オーバーカレント
ステッピングモーターの回転に大きな圧力がかかったとき過電流が起こりArduinoUNOのセーフティシステムで止まっちゃう現象です。(500mAで止まります)
- 電源コード、リードが抜ける
私くらいしか起こさないですね。
- 熱暴走
ステッピングモータードライバーの上にある可変抵抗器の電流調整をめっちゃ高くした状態で使ってたり、ヒートシンクが必要なのに付けなかったりしたら起こります。また、それでも使い続けるとCNCシールドやArduinoUNOが壊れます。
対策としてはノイズを消す為のコンデンサーの取り付けですね。
それからオーバーカレントには加工スピードが速過ぎた場合はスピンドルへの強い付加から来る振動です。エンドミルの径を細くしたり、バリなどがエンドミルにまとわりつく場合は油、空冷、液冷を入れて調整しましょう。また、高電圧でステップ数を36設定にした状態で加工速度を1秒間に0.1ミリなど超遅くやる条件が揃うと止まります。
電源から伸びるラインのうち何処か一カ所でも抜けると止まります。全てのラインを良く見直す必要があります。また、はんだが他の箇所に接触している場合があります。
熱暴走はトルクを気にしすぎると間違えやすいです。しかし、トルクが負けることでの機械のストップは滅多に無さそうです。
それよりノイズやオーバーカレントでのストップから疑い、可変抵抗器は極力低めで始めると良いですよ。規定値オーバーは絶対無い!
【側面に傷が多い】
多分途中で止まっちゃう人以上に居られるかと思います。なんかCNCも綺麗に出来ないな。やっぱ微妙だなーって思ったあなたはもう一度調整し直すべきです!
- ノイズ。変に側面に段差のような物が出来る事があります。ノイズによりステッピングモーターの動きが悪くなっている時に起こりやすいです。他にバリやエンドミルの側面の傷でも変な横線が入ります。
- 退出。加工を終わった箇所に縦方向に線が入ってしまう。退出の際に作品から離れるように終了するコードがないため。
- エンドミル径より太い穴(線)になる。これはスピンドルとエンドミルの同心度が取れていない為に起こります。
- 表面がつやつやせず、ざらざら。エンドミルの刃が正常に機能しない場合に起こりやすいです。表面が規則て正しく削れていないからです。
1のノイズに関してはずっと付きまとうので早めに対策しましょう。買ったらすぐやっても良いくらい。また、定期的に半田付けが外れていないか、ラインとの接触は甘くないか見てきましょう。
退出はCAMに大体付いている選択項目だと思います。Fusion360では加工設定の中のリンクのタブ進入動作の中に退出の項目があります。エンドミルが細いと退出で折れる事があります。これは使うか選びますね。
同心度が取れていなくても表面は綺麗になりますがどうしても加工が太くなりがちです。コレットは奥までぐいっと刺し、ネジ固定は慎重に緩めたり閉め直したりして調整しましょう。また、スピンドルシャフトに繋いだ側はそうそう外さないようにしましょう。
表面がざらざらしてしまうのはノイズもありますが、他にスピンドルが逆回転だったり、切削油を使わなかったら起こります。多少めんどくさくても後加工が大変な事を考えると油使う方が良い場合もあります。木工にも言えるかもしれませんね。染み込んだ物は取れませんが。もちろん欠けたエンドミルも駄目でした。
上、同心度が取れていない場合。
中、同心度、ノイズ対策、エンドミルの欠けが駄目な場合。
下、同心度、ノイズ対策が駄目な場合。
こうみるとノイズが一番悪影響のようです。続いて刃の欠け、同心度の順ですね。
【音が大きい。うるさい】
物を削っているのである程度は仕方ないのですが、いくつか異常例を上げたいと思います。
- 同心度が取れていない。音の50%がこれだと言っていい気がします。
- 魔法カード:欠けたエンドミルを使用。カードのにより効果:騒音力10%上昇!
- CNCシールドのステップ数。4だと音が大きく、36だと小さくなります。
- エンドミルが太い。欠けたエンドミルに通じる物がありますが、スピンドルに圧が掛かるエンドミルは音を大きくする原因になります。
- エンドミルやコレット(軸継ぎ手)に何かが引っかかっている。
お守りコンデンサーなど・・・
これらを全て解消したらCNCの様子を見ながら会話をする事も出来るくらいに騒音が小さくなります。
【エンドミルが欠ける】
エンドミルが欠ける原因は言うまでもなく固い物を削ったときですが、その他についても書きたいと思います。
- 早すぎる。アクリルの場合、1ミリピッチで分速2000ミリのスピードで削った際に刃が欠けました。早過ぎワロス。
- 加工途中でスピンドルを止める。スピンドルを止めると刃が素材に食い込んだまま固まってしまいます。回転したまま放置の方が全然マシです。
- バリをニッパーで除去。案の定傷がつきました。
加工では前加工として早い加工を行うのは有りですが、限度がありますね。早い事にこした事はないですが・・・
加工を中止するとき、エンドミルは回転させたままにしましょう。固まったエンドミルを無理矢理引っこ抜こうとすると3mm径の超硬だって折れます。
バリは慎重にやるとかそういう前にニッパーや針で除去するのはやめましょう。私はそれ以来、スピンドルを回した状態でバリが固まってる部分にアクリル板の薄い所を押し当てて外れるのを待っています。エンドミルで加工できる固さの物を当てる事で安全に取り除けます。